9.伝達と報告

・伝達する情報の種類

秘書が上司に伝達する情報としては以下のものがあります。

  • 上司の不在中に応対した来訪者とその伝言。
  • 上司の不在中に受けた電話とその伝言。
  • 関係者の人事異動など新聞記事やテレビなどから得た上司に必要と思われる情報。
  • 郵便や宅配便、社内便などで届いた文書や資料、手紙の要約。
  • 会社の諸活動に関する従業員の意見や反応(上司に尋ねられた場合)。

・情報伝達する際の留意点

  • 正確な伝達
    日時、場所、数量、固有名詞などは特に注意して正確に伝えましょう。
    口頭で伝達した後、メモ用紙などに正確に記して渡しましょう。
    また、事実と推測を明確に区別して伝達することも重要です。
  • 分かりやすい話し方
    あいまいな言い方をせず、要点をまとめて簡潔に話しましょう。
  • 適切な態度
    上司を見て、正しい姿勢で歯切れよく話しましょう。

・上司の代理として伝達する

秘書は上司の代理として情報を伝達することがあります。
代理としての情報伝達には次のようなケースが考えられます。

  • 上司からの命令・指示を上司の部下に伝える。
  • 上司に代わって電話をかける。
  • 上司に代わって関係者のお見舞い、お祝い、お悔やみなどに出向く。

・上司の代理で伝達する際の留意点

  • 丁寧な言動を心掛ける。
    上司の代理であっても、立場は秘書であることに変わりはありません。「上司の地位や権限を代理しているわけではない」ことを心得て、丁寧な言動を心掛けましょう。
  • 上司の意向を正しく伝える。
    上司の意向を正確に伝える。余分なことを加えたり、省略したりしないようにしましょう。
  • 謙虚な態度で行う。
    伝達する相手は自分より立場が上であることが多いです。礼儀をわきまえて話しましょう。
  • 正しい敬語表現を用いる。
    適切な敬語を使うように注意しましょう。立場を意識して下さい。

・報告する際に重要なこと

  • 事前に要点を把握する。
    日時、場所、数量、内容などは確実に押さえましょう。
  • 最初に結果を告げる。
    結果が重要です。経緯や理由の説明は後から行いましょう。
  • 簡潔に要領よく述べる。
    自分で内容を正確に理解し、話の要点を整理して報告しましょう。
  • 報告する相手を間違えないよう確認する。
    報告内容によっては社内の人であっても漏れると都合の悪いこともあるため注意しましょう。
  • メモ・文書にして報告する。
    日時、数量、固有名詞などに正確性が求められる場合はメモや文書にして伝えた方が安心です。
  • 事実と推測を明確に区別する。
    客観的な事実を正確に述べることが重要です。 主観的な判断や自分の意見推測や憶測とは明確に区別しましょう。

・報告するタイミング

  • 今すぐかどうか、時機を判断する。
    報告の時機は内容の緊急度、重要度によって判断します。 上司が重要視している件で特に悪い結果がもたらされたような場合は、一刻も早く報告しましょう。
  • 上司の状況を見てタイミングを判断する。
    後でもよい報告は、上司が考え事をしているときや多忙なときを避け、一区切りついたところを見計らって報告しましょう。 報告するいいタイミングだと判断しても、「今、よろしいでしょうか」と声を掛けて上司の意向を確認すべきです。
  • 期限内に時間がかかる報告をするときは事前に予告する。
    今日中に報告しなければならないなどの期限があって、なおかつ報告に時間を要する場合は、上司が忙しくしていても、折を見て報告事項と必要時閣を告げ、指示を仰ぐようにしましょう。
  • 指示された仕事の経過報告は、上司に求められる前にする。
    指示された仕事が終わったら速やかに報告し、予定よりも仕事の仕上がりが遅れそうなときは、前もって経過と見通しを上司に報告して指示を仰ぎます。
text0700