5.贈答の習わし

・贈答とは

品物を贈ったりそのお返しをすることを贈答といいます。ビジネスの世界では、お中元やお歳暮など取引先に品物を贈る習わしがあります。

贈答品の手配は、上司の意向を聞いて秘書が行うのが基本です。 品物を選んで贈るように指示された場合は、予算と贈答理由、相手先と上司の関係などを考慮して秘書が品物を選びます。病気見舞いでは避けた方がよい品物があったりもするため、贈答品に関する基本的な知識は身につけておきましょう。

・結婚祝い

  • 品物が他の人と重ならないように、相手に希望をいくつか挙げてもらって贈ると良い。
  • 希望を聞きにくい場合は、せっけんやタオルなど重なっても無駄にならないようなものを贈る。
  • 品物は挙式の1週間前までに届ける。
  • 持参するときは吉日を選ぶ。
  • 品物を郵送する場合、祝い状を同封するか別送する。
  • 披露宴に出席しない場合の祝い金は出席するときの半額を目安にする。
  • 先方からのお返しは「引き出物」になる。

・記念祝賀・落成祝賀行事の祝い

  • 「酒」「時計」「鏡」「調度品」などを送る。
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  • 先方からのお返しは祝賀行事の記念品などになることが多い。

・賀寿の祝い

 

長寿の祝いを賀寿という。 「還暦(満60歳)」「古希(70歳)」「喜寿(77歳)」「傘寿(80歳)」「米寿(88歳)」「卒寿(90歳)」「白寿(99歳)」

  • その人の好みのものや趣味にあった品物を選ぶようにする。
  • 特別注文した陶磁器などがお返しに向いている。

・季節の贈答

「お中元」と「お歳暮」があります。個人としては日ごろ世話になっている人へ、会社などでは得意先に感謝の意を込めて贈ります。

世話になっていることへのお礼として贈るのが常なので、受け取った方はお返しなどはする必要はありません。代わりに礼状を出します。

上司が受け取った場合は秘書が礼状を書きますが、決まり文句を書くことになるのでいちいち上司の了解を取らずに書いてしまってOKです。

お中元
7月初旬から15日までに届けるのが一般的です。早過ぎても遅くなってもよくありません。7月15日を過ぎたら「暑中御見舞」として出しましょう。
夏期なので腐りやすいものはよくありません。よく選ばれるものとしては「そうめん」「ジュース」など涼感のあるものがあります。酒の好きな人にはビール券なども喜ばれます。

お歳暮
12月初旬から20日ごろまでに届けるのが一般的です。20日を過ぎても年内であればよしとされますが、年末の慌ただしい時期は避けるようにしましょう。
一般的にお中元よりも重視されます。お中元を贈った場合はそれよりも金額的に高い品を贈るのがよいでしょう。酒類や缶詰類が一般的です。

・病気見舞い

関係者が病気や事故で入院するなどしたときは病気見舞いをしましょう。

入院を知ったら、まずは家族などに見舞いに行っても差し支えない時期を聞きます。 見舞いの品は相手の回復具合に合わせて選ぶようにします。 品物なら「果物」か「花」が一般的です。 ただし食べ物を差し入れるときは、相手の容体に配慮するようにしましょう。

「鉢植えの花」は避けるのが常識です。連想される「根付く」という言葉から「寝付く」がイメージされるためで、病気見舞いには不適当とされています。

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