5.秘書としての立場をわきまえる

・秘書としての立場をわきまえる

秘書の業務は上司の周辺雑務の補佐することです。上司の指示に従って仕事をするのが基本であり、上司の指示なしに勝手に判断したり行動したりしてはいけません。

・人間関係のパイプ役となる

上司が、社外や社内の関係者と円滑な人間関係を築くのを補佐することが秘書の役割の一つです。

社外の人とのパイプ役としては、上司が関係する「お客さま」「取引先」「業界関係者」「報道機関」などがあり、上司の友人・知人のほか、上司の関係者から紹介を受けた人も考えられます。

誰に対しても、公平で誠実な態度で接し、上司が良い人間関係を維持できるよう努めなければなりません。

社内の人とのパイプ役としては、先輩や同僚、後輩に加えて、社内の関係部署の人たちとも積極的にコミュ二ケーションを図ることが大切です。

いざというときに手助けが得られるように、仕事以外のことでも親しく話すなど交流を行い、相手が困っているときは進んで手伝いをしましょう。

・上司の意向にそって仕事をする

上司が気持ちよく仕事を進められるようにすることが秘書の仕事の目的です。そのためにも、次の事項に留意しましょう。

自分流のやり方や前の上司のやり方を押し通したりしない。

上司が変わったときは、その上司の前任秘書に仕事のやり方を聞いたり、新しい上司に仕事のやり方をこれでいいかと聞くなど、上司の意向に合わせていく

上司の人間性を理解していくことで、上司の意向に沿った仕事をする上での役に立つ

・必要以上に上司のプライバシーに立ち入らない

・立場をわきまえて気をつけること

気を利かせたつもりで、上司が出張中に取引先から「取引上のことで相談したい」と面談の申し込みがあったとき「どのような相談なのか、聞かせてもらえないか」と尋ねるといったようなことも秘書としての立場を心得ていない行為です。上司が世話になった相手に勝手に礼状を出すことも同様です。

また上司の顔色が優れないため「早退されてはいかがでしょう」など、上司に指示するような言い方や仕事に立ち入るような発言は慎まなければなりません。言葉は丁寧でも「早退したらどうか」と上司に指示していることと同じであり、しかも早退するかどうかは仕事の都合などにより上司が決めることで、秘書が口出しすることではないためです。

・上司のミスに対する対応

上司も人間なのでミスをしますが、秘書としてはその状況に応じて適切な対応をしなければいけません。

その際、自分勝手な判断で処理をしないことが重要です。次のことに注意しましょう。

上司に確認し、指示に従う

・ミスを指摘する口調ではなく「自分の聞き遣いではないかと思うので確認したい」といった謙虚な態度で聞く。

例えば、上司が作成した文書などで誤字脱字があったら、上司に確認して訂正するのが基本です。ただし、確認するまでもない明白な固有名詞の記載ミスなどは秘書が処理しても構いません。

text0100